中隔子宮と診断された

中隔子宮と診断された場合は、子宮鏡を使った手術(子宮鏡下手術)を行い、中隔部分を切除することになります。手術後は、かなりの確率で流産を防ぐことができます。また、中隔を切除するだけの手術なら、術後二?三回月経を見た後、もう一回子宮鏡で子宮内を検査し、傷がきれいに治っていれば、妊娠してもかまわないでしょう。

 

子宮奇形だと、子宮の形状上着床しにくく、また着床しても受精卵が育ちにくいなどの理由から、不妊症や、何回も流産を繰り返す習慣流産になることがあります。中でも、とくに流産を起こしやすいのは中隔子宮です金則項参照)。子宮奇形があるからといつて、それだけが流産の原因になっているとは限りません。ですから、まず他にも原因がないか検査をすることをおすすめします。しかし、二回繰り返し流産をしているうえ、子宮奇形と診断されたのであれば、子宮奇形が流産の原因となっている可能性も否定できません。他の検査をしても流産の原因が見当たらない場合、また子宮奇形が流産の原因になっているでしょう。もし、トラブルが見つかったら、手術などで原因となるトラブルを改許していくことになります。

 

外国で、子宮奇形のある女性の卵子を代理母の子宮に移して出産を依頼し、生まれた赤ちゃんの生殖器を調べたところ、男女とも異常は認められなかったといヽつ調査があります。これは子宮奇形が偶発的なもので、遺伝によるものではない、ひとつの裏付けになるかもしれません。また、全女性の子宮奇形率は〇・二四パーセントと非常に少ないものです(四八ページ参照)。ですから子宮奇形を持つ人が家族にいても、心配する必要はないでしょう。